シマノ社が発表した「2020年12月期決算短信(2月9日付)」によれば、シマノ社の好調ぶりが浮き彫りになっている。サイクリストとしては、ちょっとうれしい話題だ。



短信のうち、自転車部品部門の記載を見ると、
『新型コロナウイルス感染拡大により、自転車の需要は春先に大きく落ち込んだものの、その後自転車は手軽なレクリエーション、エクササイズ、かつ感染リスクの低い交通手段として注目されるところにより、世界規模での需要の高まりが見られました。

このような状況の下、欧州市場、北米市場をはじめとする海外市場では、自転車および自転車関連商品の店頭販売は好調を維持した一方で、継続する旺盛な需要に供給が追いつかない状況から、各国の市場在庫、流通在庫ともに不足する傾向が続きました。

日本市場では、欧米のような大きな自転車需要の高まりは見られなかったものの、レクリエーションや交通手段を目的としたクロスバイクや電動アシスト軽快車の店頭販売は堅調に推移し、市場在庫は概ね適正水準で 推移しました。

このような市況の下、マウンテンバイクコンポーネントの新型「Deore」をはじめ、既存の幅広い製品全般に多くの注文をいただきました。 この結果、当セグメントの売上高は297,777百万円(前年同期比2.7%増)、営業利益は68,494百万円(前年 同期比18.4%増)となりました。』

いや~、すごいですね。でも、日本では市場の盛り上りが弱い、というところがちょっと気になります。
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今後の見通しについては、

『新型コロナウイルス感染拡大防止に向けたワクチンの接種開始など景気回復に向けた明るい兆しがあるものの、経済活動の本格回復に向けた動きは依然不透明な状態が続いております。一方で、 新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、引き続き密を避けることができるアウトドアレジャーへの関心が持続すると思われます。

欧州では、EUからの英国離脱による経済的混乱は自由貿易協定締結の合意によって避けられる見通しが立ちま した。中国では新型コロナウイルスの影響が和らぎ、個人消費が牽引する格好で景気回復が継続すると思われます。米国では、バイデン政権の誕生により、政府による追加的な財政支援が期待されるものの、政治的分断による社会の不安定化が景気回復に水を差すおそれがあります。

日本では、感染動向が消費者マインドに直結し、東京オ リンピック・パラリンピック開催への影響も懸念されることから、消費の落ち込みを十分に取り戻すには至らず、 回復ペースは緩慢なものになる見込みです。

このような経営環境の中、当社は、自転車や釣具に対する好調な需要動向を注視しつつ、日本発の「開発型デジタル製造業」として、多くの人々に感動していただける「こころ躍る製品」の開発・製造に邁進することはもとより、企業と社会の共有価値を創造し続ける「価値創造企業」として、一歩一歩、前進していくことが大切だと考えております。

経営効率のさらなる向上を図り、より豊かで、新たな自転車文化、釣り文化の創造を促進し、持続的 な成長を目指してまいります。 その結果、2021年12月期の連結業績予想は以下のとおりといたします。』

として、およそ20パーセント増の売り上げ見通しを立てている。シマノ社にはぜひ頑張って、楽しいサイクリングライフを提案していただきたいものです。あと創業100年まで32日。この御長寿ぶりもすごいです。